あらすじ
「君との婚約は、今日限りで終わりだ」
五年間、婚約者として過ごしてきたセドリックから、突然婚約破棄を告げられたクリスティーナ。
理由も語られず、荷物はすでに馬車へ積まれ、寝室の奥に隠していた母の形見までまとめられていた。
そして屋敷を追い出される直前、彼は強張った顔で告げる。
「何があっても、絶対に戻るな」
そこまで私が嫌いだったのね――そう思っていた。
けれど翌朝。
セドリックは何者かに毒殺されてしまう。
直前に婚約破棄されたクリスティーナには、殺人の疑いまでかけられる。
それでも構わない。
たとえ最後まで嫌われていたとしても、あなたを殺した誰かだけは許さない。
疑いを晴らし、仇を討つため、クリスティーナはセドリックが残した痕跡を調べ始める。
なぜ彼は、突然婚約を破棄したのか。
なぜ母の形見まで荷物に入れたのか。
そしてなぜ最後に、「絶対に戻るな」と言ったのか。
すべての意味を知ったとき、クリスティーナは初めて、彼が最後まで隠していた想いを知る。