あらすじ
高校で完璧な優等生を演じ続ける生徒会長・日野原葉月(ひのはら・はづき)。両親の期待、友人の羨望、教師の信頼――そのすべてに応え続けるうちに、いつからか「本当の自分」がどこにあるのか分からなくなっていた。
そんなある夜、皮膚の下で何かが軋むような感覚とともに、鏡に映った自分の背中に、見覚えのない甲殻のようなものが浮かび上がる。それは、押し込めてきた感情がようやく形を持ち始めた証だった。
誰にも言えない「虫化」を抱えながら、葉月は自分を保つ方法を探し始める。そして、屋上で出会った眠そうな目の先輩もまた、何かを隠しているようで――。