あらすじ
クラリッサ・エヴァンスの婚約者、ヴィンセント・ハーグレイヴはとにかくやかましい。紅茶に入れる砂糖の数から、ドレス、髪飾り、歩き方、笑い方、読んでいる本まで、何かにつけて口を出してくる。「自分のためを思ってくれているのだから」と三年間付き合ってきたクラリッサだったが、ある夜会でいつものように笑い方やドレスについて注意され、とうとう我慢の限界を迎える。
悪人ではない。浮気をしているわけでもない。それでも、やかましいものはやかましい。この人と一生を共にするなんて絶対に無理――そう気づいたクラリッサは、三年間続いた婚約を終わらせることにした。