あらすじ
十二歳の俺が知っていることは、そう多くない。
鬼の斬り方。妖の殺し方。
腹が減っても我慢すること。
命令には逆らわないこと。
家族が何をするものなのかも、学校がどんなところなのかも知らなかった。
そんな俺はある日、神への生贄にされた。
だから――神を斬った。
「これで自由、ってことでいいんだよな?」
呪いを消し、十二年間閉じ込められていた山を下りた俺を待っていたのは、知らないことばかりだった。
俺を待っていた家族。好きなだけ食べていい飯。自分だけの部屋。
神や妖怪が当たり前に暮らす街。
そして、神祇士を目指す少年少女が集まる学校。
神様なら斬れる。
鬼の群れに囲まれても困らない。
けれど――。
「……友達って、どうやって作るんだ?」