あらすじ
「《鑑定》? そんなもの、魔道具でも使えるぞ」
11歳の少年カイルが授かったのは、誰からも外れ扱いされるありふれた能力《鑑定》だった。
しかし、カイルの目にだけは普通の《鑑定》には存在しない項目が見えていた。
――《潜在価値》。
貧民街で幼馴染のリリアと暮らすカイルは、いつものガラクタ市で1つの古びた置物を見つける。
販売価格:銅貨3枚。
現在価値:銅貨2枚。
潜在価値:金貨4,280枚。
「…………は?」
だが、《鑑定》が教えてくれるのは価値だけ。
なぜ高いのか。どうすればその価値を引き出せるのか。それは一切分からない。
壊れた魔道具。用途不明の素材。誰にも見向きされない商品。潰れかけの店。そして、誰も欲しがらない土地。
買って、調べて、失敗して――そして、ときには大当たり。
前世では中古品や掘り出し物を探すのが好きだった、ごく普通の会社員・高瀬悠人。
そんな彼にとって、まだ誰にも知られていない《価値》に満ちたこの世界は――宝の山だった。
最初の目標は、明日の飯。
次は、雨風をしのげる家。
そしていつか、リリアと自分たちの店を持つこと。
これは、誰も要らないものばかり拾っていた貧乏少年が、世界中に眠る《本当の価値》を見つけ続け――
気づけば世界1の大商人へ成り上がっていた物語。