あらすじ
魔力が血統の証とされる国で、魔力を持たずに生まれた王子ラピス。
王族失格として両親から見放され、離れで孤独に暮らしていた彼のもとへ、ある夜、一筋の光が降り注ぐ。
その光がラピスに与えたのは、王国でも極めて珍しい――指揮者の魔力。
手にしたのは、一本の指揮棒。
その力を試してみたラピスは、思いがけないほどの威力に驚きながらも、自分を閉じ込めていた離れを破壊。
貴族の服と指揮棒だけを手に、王城を飛び出してしまう。
しかし、自由になったのも束の間。
王子の逃亡者として指名手配され、あっさり捕まってしまうラピス。
ところが――
「その指揮棒……どこで手に入れた?」
指揮者の魔力は、この国でも滅多に現れない特別なものだった。
ラピスの力に目をつけた王は、彼を処罰するどころか、自らの配下に加えることを決める。
こうして、王族から見捨てられた怠け者の王子は、
指名手配犯から、王直属の特別な存在へ。
眠ることが大好きで、面倒くさがり。
けれど、一度決めたことは曲げない。
そんなラピスと一本の指揮棒が、王国で巻き起こす物語が始まる――。