あらすじ
BLです。雪降る邸、二人の貴族が織りなす和歌と色香の王朝BL。桜狩りの続き、連作短編です。
寒気の残る平安の都。雪の降る邸の庭で、静かに佇む唯輔(うぐいす)の姿があった。
その浮世離れした雅さに息を呑み、足を止めた直道。
袖の中で密やかに重なる手指、吐息が触れる距離で交わされる和歌——。
「……まだ、蕾は固いな」
「おや……甘やかな春を告げに来てくださったのでは?」
昼の庭で交わされる優雅で知的な戯れは、夜の闇の中で深く濃厚な熱を帯びていく。
まだ声を聞かせぬ「鶯」の固い蕾を、直道の凛々しく強引な手が解き明かすとき、密やかな夜の逢瀬が花開く。
三十一文字の言葉の陰に秘められた、二人の男の骨太で濃密な情愛を描く、王朝BL季節連作。
『春告鳥』は、「拾遺和歌集」素性法師の『あらたまの年立ち帰る朝より待たるるものはうくひすのこゑ 』をモチーフにしています。
※直接的な描写はありませんが、雰囲気や匂わせなどの官能的な表現が含まれます。(R15程度)ご注意ください。