あらすじ
倭国(わこく)。四神を神聖と信奉するこの地では、東西南北に分かたれた貴家と宮が政をなし、互いに均衡を保ち、国と民を各々が治めていた。
東家当主である東篠雲(トウ シウン)は、家督継承の為に妻を娶ることとなる。
【当主の伴侶は、一族の中から必ず選定されなければならない】――。
慣例により選ばれた娘、東麗凪(トウ カナギ)。
卑屈で常に俯くばかり、どの場面にも三つ指をついて頭を下げ、謝意を述べる。それだけではなく、自らを下女として当然の如く扱う。
およそ貴家の娘とは思えぬ振る舞いに、次第に違和感を強く募らせた東篠雲は厳しく詰問するが返答は決まって『否』であった。
煮え切らない態度に苛立ちながらも、時に諌めようとする己を東篠雲は気づき始めるが――。