あらすじ
「恋愛リアリティーショーに、“台本”なんてない」
――世間は、そう思っている。
若手女優・香月瑠奈が出演することになったのは、一か月間の共同生活を送る高校生たちの恋愛リアリティーショー『アオハルvacation in SUMMER』。
男女八人がひとつ屋根の下で過ごし、恋をして、最後の日に想いを伝える。
そんな青春そのものの番組で――
瑠奈にだけ、秘密の役割が与えられていた。
それは、恋をかき乱す“悪女役”。
誰に近づくのか。
誰を好きなふりをするのか。
誰の恋を邪魔するのか。
すべては、渡された台本の通り。
女優として仕事を全うするためなら、嫌われたって構わない。
ここで生まれる恋だって、所詮は番組の中だけのもの。
そう割り切っていたはずだった。
けれど。
台本にはない言葉。
台本にはない視線。
台本にはない感情。
一か月の共同生活の中で、演技と本音の境界は少しずつ曖昧になっていく。
誰が、本当に恋をしているのか。
誰が、嘘をついているのか。
そして――瑠奈自身の気持ちは、本当に“演技”なのか。
これは、決められた役を演じる少女が、
台本には書かれていない恋を知る物語。