あらすじ

数学者・佐伯は、どんな数学体系にも属さない奇妙な数を発見した。 それは、0でもなければ無限でもない。 正の数でも、負の数でもない。 そもそも「数」として存在していることすら証明できない。 だから彼は、その数をこう呼んだ。 ――『存在しない数』。 ところが、その数を含んだ計算は、現実を正確に説明し始める。 惑星の運動。 素粒子の振る舞い。 人間の脳。 そして、まだ起きていない未来までも。 計算が現実を予測しているのか。 それとも、現実のほうが計算に従っているのか。 やがて佐伯は気づく。 「存在しない数」とは、存在しない数なのではない。 それは、数学が世界を記述するときに生じる、 「存在」と「非存在」の境界に残された、最後の余白だった。 ――もし、世界のすべてを数式で表せるのなら。 その数式の中に、最後まで書けないものは何なのか。

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カクヨム
カクヨム2026/09/26
  • 現在の作品存在しない数