あらすじ
宮廷占星官イリーナは、三年前の凶作を予測し、被害を抑えた功績を持つ。ところが第一王子アルフォンスとの婚約解消を正当化するため、その予言はイリーナ自身が偽造したものだと告発される。占星官の座も、王子の新たな婚約者となる妹セシリアへ譲れという。
証拠として突きつけられたのは、イリーナの筆跡と天文台印がある予言書。両親も妹も、罪を認めて修道院へ入れと迫る。
だがイリーナは、予言書を光へ透かして告げた。
「この紙が発明されたのは昨年です。三年前の予言書に使えるはずがありません」
偽造を見抜いたイリーナは王立文書院へ届け出て、自ら婚約と宮廷での地位を捨てる。やがて王子と妹の企みが公開審問で暴かれた時、彼女は神託ではなく観測と記録で人々を守る、新しい仕事と未来を選んでいた。