あらすじ
数千年にわたり、魔法によって繁栄してきた大国――アルヴェリア帝国。
魔法こそ文明の頂点。
それが、この世界では当たり前だった。
しかし、東方の小国だったグランディア連邦が、銃火器と航空兵器を次々と実用化したことで、世界の勢力図は大きく変わり始める。
銃。
大砲。
戦車。
航空機。
一人の魔法士ではなく、何千、何万もの兵士と兵器を動かす「近代戦」。
急速に周辺諸国を取り込み巨大化していくグランディアを前に、アルヴェリアでは「魔法を守るべきか」「新しい技術を受け入れるべきか」という対立が生まれていく。
そして、その亀裂を利用する者がいた。
誰にも気づかれないところで進められる外交工作。
流される偽情報。
深まっていく国内の分断。
やがてアルヴェリアは、外敵ではなく――自らの国民と銃を向け合うことになる。
だが、世界にはもう一つの国が存在していた。
国境は閉ざされ、その首都を知る者もいない。
それでも、その国が保有する兵器だけは、アルヴェリアにもグランディアにも存在しないものだった。
なぜ、彼らは姿を現さないのか。
なぜ、三つの国は戦うことになったのか。
そして――この戦争を、本当に始めたのは誰なのか。
魔法と鋼鉄と未知の技術。
三つの文明が交差するとき、世界は初めて「戦争」というものの本当の姿を知る。