あらすじ

梅雨の雨が降り続く夜、私はいつものように、冽里様のもとを訪れた。 私と彼を繋ぐのは、恋でも友情でもない。 ただ、身体を差し出すという奇妙な契約だけ。 ところが、その日だけは何故か彼の姿が見当たらなかった。 広すぎる邸宅を探し回った末、私は一度も入ったことのない、鍵のかかった部屋へ辿り着く。 そこにあったのは、所狭しと積み上げられた映画の本。 書き散らされた脚本。 そして、一台の古びた映写機。 退廃的で、他人を物のように扱い、何事にも執着しないと思っていた男。 その彼が、誰にも見せず、ひたすら映画について考え続けていた。 「映画を作りたい」 その部屋で初めて知った、冽里様の隠された夢。 けれど、それに触れた瞬間―― 彼は初めて、私に本気の怒りを向けた。 これは、身体だけで繋がっていたはずの二人が、 互いの知らなかった「心」に触れていく物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/09/26
  • 現在の作品映写機