あらすじ
雨宮ハル、20歳。F級探索者。
彼には、誰よりも攻撃を避けるのが上手いという取り柄があった。
だが――避けるだけでは、モンスターは倒せない。
攻撃力の低さからパーティーを離れることになったハルは、一人で低級ダンジョンへ潜る。
そこでゴブリンの攻撃をかわした瞬間。
ひらり、と足元に一枚の紙が落ちた。
【不在連絡票】
差出人:ゴブリンアーチャー
お届け物:鉄矢
[再配達]
「……なんだこれ?」
試しに《再配達》を押し、ゴブリンを届け先に指定すると――先ほど避けたはずの矢が、ゴブリン自身へ突き刺さった。
ハルのハズレスキル《不在連絡票》。
その本当の能力は、自分を狙った攻撃を回避すると、その攻撃を一時保管し、好きな敵へ“再配達”できるというものだった。
火球も。
毒針も。
ドラゴンのブレスさえも。
敵が強ければ強いほど、届く荷物も強くなる。
これは「避けるしかできない」と馬鹿にされていたF級探索者が、敵の必殺技を片っ端から再配達して成り上がっていく物語。
「お届け物です。――差出人は、あなたですけど」