あらすじ
千年待ち続けた。
ただ、もう一度あなたに逢うために。
平安の世。
源昭仁が春の宴で見初めたのは、まだ恋を知らない一人の姫――咲子だった。
やがて心を通わせ夫婦となった二人は、穏やかな幸せの中で生きていくはずだった。
しかし咲子には、本人さえ知らない秘密があった。
彼女の魂は、この世界の行く末を左右する特別な存在――「鍵」として、神に選ばれていた。
神々の思惑。
人の世に潜む根之堅州国の者たち。
次々と咲子を襲う不可解な出来事。
そしてついに、昭仁は最愛の妻を失う。
それでも彼は、咲子を諦めなかった。
輪廻の輪から外れ、人でも神でもない「中枢」となり、いつか再び巡り逢うその日まで、彼女の魂を守り続ける道を選ぶ。
――それから、千年。
現代に生まれ変わった咲子には、かつての記憶がない。
それでも二人は再び出逢い、再び惹かれ合っていく。
けれど、千年前から続く物語は終わっていなかった。
なぜ、咲子は「鍵」に選ばれたのか。
なぜ、昭仁が「中枢」だったのか。
そして――二人が出逢ったことさえ、本当に偶然だったのか。
千年を越えた愛の先で明らかになっていく、神々の思惑と世界の秘密。
これは、一人の姫と彼女を愛する人々が、やがて宇宙のかたちさえ変えていく物語。