あらすじ
武田家に仕える武藤喜兵衛――後の真田昌幸には、後世に名を残す二人の息子がいた。
真田信幸。
そして、真田信繁。
だが、もう一人。
史実には存在しない、「第三の息子」がいた。
名は、源七郎。
永禄十一年、昌幸の庶子として生まれた源七郎は、わずか一年で父のもとを離れることとなる。
武田家に仕える三ツ者の頭領・出浦盛清に預けられた源七郎は、忍びの里で六年の歳月を過ごした。
そして天正三年、長篠の戦いで武田家が大敗すると、六歳になった源七郎は初めて真田の郷を訪れ、父・昌幸と再会する。
しかし、そこで告げられたのは、父と共に暮らす未来ではなかった。
「塩田家の養子となってもらいたい」
信濃小県に古くから根を張り、騎馬をもって知られる塩田家。
その後継者として養子に迎えられた源七郎は、やがて塩田源七郎信時と名を改める。
忍びの里で培った技。
塩田家に伝わる武と学。
そして父・昌幸から受け継いだ「真田の心」。
それらを胸に、信時は戦国の世を生きていく。
武田家の衰退。
織田信長による甲斐侵攻。
そして、武田家滅亡後に始まる天正壬午の乱。
真田家、塩田家、そして多くの武将たちの運命は、史実とは異なる一人の少年の存在によって、少しずつ変わっていく。
これは――
もし、真田昌幸に信繁の一つ下の息子がいたなら。
そんな「もしも」から始まる、もう一つの真田の物語である。
※本作には史実を基にした人物・出来事のほか、多くの架空人物・架空設定、史実とは異なる歴史改変が含まれます。
歴史小説の執筆は初めてのため、史実や時代背景について至らない点もあるかと思います。お気づきの点やご意見、ご感想などございましたら、お気軽にお寄せいただけると嬉しいです。
一話あたり3,000~4,000字程度を目安にしていますが、物語の展開によって前後します。
史実確認のため、Wikipediaを含む複数の公開資料を参照しています。
以下にWikipediaを除く史料・資料を掲載します
『科野国は上田から始まった』 上田古跡研究会
上田市塩田の里交流館(とっこ館) 展示資料
『現代語訳 信長公記』(新人物文庫) 太田牛一
参考文献・資料については、随時追記していきます。
本作品はカクヨムにおいて同名義で先行公開しております。