あらすじ

生まれた場所が、その人の故郷とは限らない。 血筋が、その人が何者なのかを決めるとも限らない。 海神界。 感情素子によって文明を築き、広大な海とともに人々が生きる世界。 その海を守る海神近衛兵団には、若くして特別海兵隊筆頭へ上り詰めた一人の女がいた。 名は、カヨナ・ワダツミ。 明るく、素直で、仲間思い。 卓越した身体能力と戦闘技術を持ち、小太刀二刀《瑞鶴》《翔鶴》を手にすれば、海賊も堕転者も並の相手ではない。 そして彼女には、もう一つ妙な才能があった。 戦いの最中、敵の足運び、重心、視線、刃の使い方、感情素子の反応から、誰も気づかなかった小さな違和感を拾うのだ。 「……変なの」 その一言から、海に沈んだ事件の真相が浮かび上がっていく。 遭難船、密輸、怪事件、海洋妖異。 彼女が刃を交えるたび、海に隠された謎が一つずつ姿を現す。 つまり、たいへん優秀な女性なのである。 黙っていれば。 「みんなー!! なかよく!! しゅっぱーつ!!」 ……これが特別海兵隊筆頭の号令である。 うふふ。 人事については、ひとまず海神近衛兵団を信じることにしましょう。 これは、海を愛し、海に育てられた一人の女の物語。 そしてまだ彼女が、 太陽を知らなかった頃の物語である。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/09/26
  • 現在の作品海神の裔(わたつみのすえ)