あらすじ

「姉なんだから譲りなさい」 伯爵家の跡取りとして育てられたクラリスは、母のその一言で、人形も誕生日も祖母の形見の櫛も、すべて妹ミレイユに譲ってきた。 そして今夜、妹が欲しがったのは婚約者。当のエドガーも「ミレイユの方が僕を必要としてくれる」と乗り気で、父は黙ったまま。 「分かりました。譲ります。ただ、この婚約は跡取りとの婚約ですから――」 クラリスは王宮の公証役を呼び、婚約者も跡取りの座も家も、書面で正式に妹へ譲った。家族は誰も、その書面を最後まで読まなかった。 祖母の形見の旅行鞄ひとつで家を出た彼女が向かったのは、二年間、仕事の手紙だけを交わしてきた隣領の侯爵のもと。 譲ってばかりだった彼女が、初めて「欲しい」と言えるものとは――。

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小説を読もう2026/09/26
  • 現在の作品「姉なんだから譲りなさい」と母が言うので、婚約者も家も譲ることにしました