あらすじ
町の願いや約束をもとに、街灯や街道に小さな魔法をかける潮見町。魔法は便利だが、古い記録の条件が抜け落ちれば、思いもよらない形で町の暮らしを困らせる。
魔法が使えない新人調査員・冬木トーカの仕事は、奇跡の不具合を現場と記録から調べること。相棒は、かつて町の守り手として称えられ、今では「道迷いの魔女」と呼ばれる葛城ルリ。彼女が関わった街道で、日暮れ後に町を出ようとした人が何度も出発点へ戻される事件が起きる。
町の人々はまたルリの魔法が失敗したのだと言う。けれどトーカが見つけたのは、魔法の暴走よりも厄介なもの――誰かが記録から削り、誰も確かめずに受け継いできた、たった一行の条件だった。