あらすじ
「お前にはそれくらいがちょうどいい」
婚約者の伯爵令息ダリウスに、帳簿も家の仕事も押しつけられ、手柄はすべて横取りされてきた子爵令嬢セレスティア。
ある夜会で、使い込みの罪まで着せられて婚約破棄を言い渡された彼女は、三年分の帳簿を武器に、その場で彼の不正を暴いてみせた。
償いとして彼女が望んだのは、揉め事ばかりの国境の田舎、ミルフィールド領。
「あんな所を?」と笑われたその土地は、実は誰も知らない『広大な領地』で――。
怒れる領民、足元を見る王都の貴族たち、そして三日と空けずに通ってくる金髪の牛の買い付け人。
「セレス。その領地ごと君がほしい」
正体を明かした隣国の皇子の甘い求婚は、どう考えても領地目当て。鬱陶しいことこの上ない。
それでも――。
帳簿と交渉を武器に領地を立て直す令嬢と、笑顔の裏に何かを隠した皇子の、国境の田舎から始まる恋と逆転の物語。