あらすじ
大学四年、十一月。内定ゼロ。
いわゆるFラン大学に通う日紫喜直仁は、四十二社から不採用を突きつけられ、就職活動に行き詰まっていた。
そんな彼が偶然見つけたのは、学歴不問、未経験歓迎――そして初任給三十八万円という破格の求人。
株式会社クラウン・ソリューションズ。
事業内容は『各種イベント企画・運営業務』。
怪しい。
そう思いながらも、もう後がない直仁は応募する。
そして四十三社目にして、人生初の内定を手にした。
高い給与。
充実した福利厚生。
優しい上司。
整った職場環境。
ようやく自分も「普通」になれる。
直仁はそう思っていた。
ただ一つ。
最終面接で投げかけられた、奇妙な質問を除いて。
「あなたは、人の人生に責任を持てますか?」
その言葉の意味を、直仁はまだ知らない。