あらすじ
新都高校の毎時間は、全校生徒が慌ただしく廊下を駆け抜ける『教科センター方式』の戦場だ。
コミュ障で他人との関わりを極力断ちたい学年40位の伊織水無瀬にとって、移動教室は毎回アウェイに放り出される過酷な試練だった。
けれど彼には、どうにかして話しかけたい相手がいた。
学年21位にして全校生徒の憧れである、完全無欠の美少女・鳳織音。
「あ、今日こそは自然な挨拶を……」
緊張のあまり脳の回路が焼き切れた移動中の廊下。すれ違いざま、鳳さんの肩に自らの肩を激突させた伊織が、絞り出した最初の一言はこれだった。
「あ、肩、強いですね」
違う。そうじゃない。もっと爽やかに言うはずだったのに。
頭を抱える伊織だが、実は彼と鳳さんには、学校では絶対に言えない「ある秘密」の共通点があるらしい...