あらすじ

その夜、テレビは静かに告げた。 ――「日本円、死亡。」 金が紙切れになり、日常はあっけなく崩れた。 混乱する東京に現れたのは、暴動でも銃声でもない。 配給、秩序、治安。 そして、人間の価値を数字で管理する《信用スコア制度》だった。 食品メーカーの営業主任・佐藤達也も、まず自分が生き延びるためにスコアを稼ぎ始める。 そして再会した、衰弱しきった妹・沙織のために、その道をさらに突き進んでいく。 最初は、ただ生きるためだった。 指示に従えばスコアが増え、規則を守れば評価され、余計なことをしなければ食料が手に入る。 やがて佐藤は、他人を切り捨てることにも慣れていく。 そして気づけば、“管理する側”に立っていた。 犯罪は減り、街は静かになり、配給は滞りなく届く。 誰もが望んだはずの、完璧な社会。 ただ、一つだけ変わっていたのは―― 人間までもが、数字になっていた。 静かに。 正しく。 誰もが拍手する中で。 日本は、家畜小屋になっていく。

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カクヨム
カクヨム2026/09/26
  • 現在の作品家畜小屋の拍手喝采 ―スコアが人間を選別する日―