あらすじ
地方から上京した女子大学生の主人公・葵(あおい)は、将来への焦りと生活費の工面に頭を悩ませていた。
そんな折、彼女がたどり着いたのは、路地裏にひっそりと佇む老舗店——『珈琲喫茶 古時計』。
住み込みバイトとして雇われることになった葵を迎えたのは、どこか影のある落ち着いた大人、マスターの時任薫(ときとう かおる)。
包容力にあふれ、温かい珈琲を淹れる彼に、葵は次第に惹かれていく。
しかし、彼の心は、壁に飾られた「10年前から針の止まったままの大きな古時計」と同じように、過去の傷にとらわれたまま止まっていた。
個性豊かなシェアハウスの住人たちとの賑やかな日常の裏で、交錯する想いと距離感。
どれだけ手を伸ばしても届かない彼の「過去」に、まっすぐで不器用な葵はどう立ち向かうのか——?
静かな雨の日に読みたくなる、ほろ苦くも愛おしい年の差ラブストーリー。