あらすじ
慶長五年、関ヶ原。
西軍は敗れ、石田三成は捕らえられた。
六条河原で処刑を待つ三成の胸にあったのは、徳川家康への憎しみではない。
――どこで間違えたのか。
小早川秀秋の裏切りか。
毛利が動かなかったことか。
加藤清正や福島正則との対立か。
秀次事件か。
唐入りか。
いや。
間違いは、もっと前から始まっていたのではないか。
そう考えながら三成は死んだ。
そして次に目を覚ました時――彼は、二十代の自分に戻っていた。
羽柴秀吉は、まだ天下人ではない。
徳川家康も、まだ豊臣家最大の敵ではない。
加藤清正も福島正則も、かつて袂を分かった仲間たちも、まだ若い。
そして何より。
織田信長が、まだ生きている。
時は天正十年。
本能寺の変まで、あとわずか。
三成が持つのは、未来の歴史書でも、現代知識でもない。
一度目の人生で、自ら見て、聞いて、失敗した記憶だけ。
今度こそ、豊臣家を滅ぼさない。
今度こそ、仲間と敵対しない。
そして――
二度目の関ヶ原は、起こさせない。
関ヶ原で敗れた石田三成本人が、本能寺の変から人生をやり直す歴史逆行物語。