あらすじ
儀式のために斎主の身体を「正しい形」へ整える、平民出身の一流装束師・朔。
触れるのは仕事。必要以上には触れない。そして最後の一本を結んだ瞬間から、儀式が終わるまで触れることは禁止される。
幼い頃から高貴な斎主として育てられ、「苦しい」と言うことすら覚えてこなかった澪。
公の場では朔が頭を下げる側だが、支度の場では朔が指示し、澪がその手に身体を委ねる。
身分と役割によって、静かに入れ替わる二人の上下。
支度を重ねるうち、澪は少しずつ自分の身体と意思を取り戻していく。
一方、国では古くから続く祭祀に異変が起こり始めていた。
装束と儀式、身分と役割、触れることと触れないこと。
その境界に育つ、静かで官能的な和風恋愛ファンタジー。