あらすじ
現代日本の勤務医・羽澄あかりは、患者の急変を防げなかった責任を問われ、休職に追い込まれていた。疲れ果てた深夜、彼女はふと「ライトノベルで読んだような、美しい中華の世界に行ってみたい」と流れ星に願う。
同じ夜、大陸の後宮では、幼い頃から絶世の美貌と聡明さで知られながら、人前に出ればすぐ倒れる病弱な皇女**紅玉蘭(こう・ぎょくらん)**が、誰にも言えない秘密を抱えていた。彼女の「病弱」は仮病であり、本当は誰よりも頭が切れる。だが賢さを見せれば命を狙われる後宮で、彼女は「儚く可憐なだけの姫」を演じ続けていたのだ。疲弊した心で、彼女もまた彗星に「健康な体が欲しい」と願う。
翌朝、あかりは玉蘭の体で、玉蘭はあかりの体で目覚める。戸惑う暇もなく、あかりは「病弱皇女」として毒見侍女に見守られる生活に放り込まれ、玉蘭は現代日本で医師免許もないのに病棟に立たされる。
やがて後宮で、皇女付きの毒見役が次々と原因不明の不調を訴える事件が起こる。「呪い」と噂されるそれを、あかりは現代医学の知識で、玉蘭は本来の頭脳で、それぞれの世界から解き明かしていく——。