あらすじ
西暦2038年。
AIグラスの普及によって、人々は他人の「人種」と「家系」、そして本人・両親・祖父母の犯罪歴まで知ることができるようになった。
それは、安全で透明な社会を実現するための画期的な技術だった。
高校生の朝倉透も、そんな社会の中で普通の学生として暮らしている。
――ただし、それは彼が五年間、自分の情報を偽装し続けているからだった。
外国人の血を引き、犯罪歴のある家族を持つ透は、正体を知られれば「自分自身」ではなく「血筋」で判断されることを知っていた。
友人。
恋人。
学校。
社会。
すべてを守るために隠していた秘密は、ある事件をきっかけに暴かれていく。
そして一度知られてしまった「真実」は、誰にも消すことができない。
これは、差別をなくすために作られた技術によって、ひとりの少年の人生が壊れていく物語。