あらすじ
「ゴミ拾いでもしてろ」
神殿で授かった職業は、戦闘能力を一切持たない最底辺職――《掃除屋》。
剣士にも、魔術師にも、ましてや冒険者にすら向いていない。
そう笑われた少年レインは、今日を生きるため、ダンジョンで死んだ冒険者の遺品を拾い集める仕事を始めた。
そんなある日、誰にも見向きもされない一本の黒い剣を拾う。
錆びつき、刃は欠け、鑑定結果は《廃棄推奨》。
けれどレインは、いつものように剣へ手を触れた。
――《掃除》。
次の瞬間、錆も傷もすべて消え去った。
黒い刀身から現れたのは、三百年前に失われた勇者の聖剣だった。
「……これ、僕が綺麗にしただけなんだけど」
誰も知らなかった。
《掃除屋》とは、ただ汚れを落とすだけの職業ではない。
それは――壊れたものを、本来あるべき姿へと戻す力。
錆びた聖剣。
壊れた魔導具。
封印された遺跡。
そして、傷ついた人間さえも。
何も持たなかった少年は、やがて知ることになる。
この世界そのものが、かつて何者かによって壊されていることを。
これは、最底辺の少年が「自分には何の価値もない」という思い込みを捨て、自分にしかできない方法で世界を修復していく物語。