あらすじ
雨の町ネリヴァ。
四方を切り立った崖に囲まれ、巨大な鉱石の大屋根に覆われたこの町には、人々が暮らしの中で排出した「失敗魔法」が澱みのように溜まっていた。
トア・レキネは、そんな危険な残留魔法を安全に処理する「回収屋」。
貧乏だが腕は確かな彼は、ある日、設備局の完璧主義なエリート美人技師、セナ・オルミと出会う。
現場の安全を最優先するトアと、規則と数値を信奉するセナ。
水と油のような二人は、町のあちこちで起こる魔法の暴走事故を解決するうちに、大屋根の裏側に隠された「町を滅ぼすほどの致命的な欠陥」に気付いてしまう。
「町じゅうの人間がこの町で生きてきたんだ。だったら、そのツケを払う痛みだって、みんなで分け合うのが筋だろうが!」
空を塞ぐ絶望的な魔力の海。
二人は己の技術と知恵、そして町の人々の絆を武器に、ネリヴァの空をこじ開けるための前代未聞の「修理」に挑む。
これは、世界を救うために適正価格で汗を流す、小さな職人たちの物語。