あらすじ

自ら命を絶ったはずの男は、異世界の少年エリアスとして目を覚ます。生を終えたはずなのに、再び人生を与えられたことに絶望した彼は、この世界でも死を試みる。しかし、どのような方法を選んでも不自然な偶然によって必ず生き残ってしまう。やがてエリアスは、自分が不死なのではなく、「死を望んでいる限り死ねない」のだと気づく。死の方法を求めて医学、神学、哲学を学び、さらに冒険者として数々の死地を巡るうち、彼は皮肉にも人々を救う英雄となっていく。やがて妻リディアと出会い、娘を得て、幸福と希死が必ずしも矛盾しないことを知ったエリアスは、自殺と死そのものを研究する学者となる。妻や娘、友人たちを次々と看取りながら百年以上生き続けた末、彼はようやく、自分が求めていたのは死そのものではなく、「人生の続きを拒絶すること」だったのではないかと悟る。そして死を未来の目的として待つことさえやめ、「生きても死んでもどちらでもよい」と思えた夜、彼は初めて自然な死を迎える。だが次に目を開けたとき、彼は再び見知らぬ異世界の赤子として産声を上げていた。――またか。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/09/26
  • 現在の作品異世界自殺論