あらすじ
日照りが続き、海が赤く染まった小さな農村。魚は浜に打ち上げられ、村は少しずつ滅びに向かっていた。
ある夏の日、十年前に村を追われた男・和馬が帰ってくる。大柄な体に、頬には大きな刀傷。村人たちは彼を「鬼」「人殺し」と呼んで恐れた。
村長の娘で人見知りの少女・深緒は、村人たちとは違い、この男が気になって仕方がない。そして、十年前に亡くなった姉のこと、村で語り継がれる「山の精霊」のことを知っていく。
和馬は本当に人殺しなのか。山の精霊とは何なのか。
干ばつの村を舞台に、ひとりの少女と、鬼と呼ばれた男の出会いを描く時代小説。