あらすじ

伯爵夫人クラリスは、病弱な姑アデライドの療養を何年も支えてきた。

夫オズワルドとの仲は冷え切っていても、妻として家を守り、家族を支えることが自分の役目だと考えていた。

そんなある日、オズワルドから愛人フローラと再婚するために離縁したいと告げられる。

しかも夫は、離縁後もクラリスを屋敷へ残し、母親の世話だけは今までどおり続けさせるつもりだった。

「母は君に慣れている。君が残ってくれれば、皆が困らない」

姑を置いていくことへの迷いを抱えながらも、クラリスは結婚指輪を外す。

「離縁はお受けします。しかし、この家に残るつもりはありません」

その直後、玄関から杖の音が聞こえてきた。

外出用のドレスと旅用の外套をまとい、旅行鞄を持って立っていたのはアデライドだった。後ろには、すでにまとめられた荷物まで並んでいる。

「では私も参ります」

実の息子ではなく嫁を選んだ姑とともに、クラリスは伯爵家を出る。

新居で姑の世話を一人で抱え込まない暮らしを始め、自分の時間を少しずつ取り戻していくクラリス。姑の主治医レナードもまた、患者の家族としてではなく、クラリス本人へ目を向け始める。

一方、妻の座だけを愛人へ与え、元妻の献身は利用し続けようとしたオズワルドの計画は、母、愛人、そしてクラリス自身の選択によって崩れていく。

妻でも世話役でもなく、自分自身として暮らし始めたクラリスは、やがて新しい家族の形と、新しい恋を選んでいく。

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アルファポリス
アルファポリス2026/09/25
  • 現在の作品「離縁しても母の世話は続けてくれ」と夫に言われました。すると姑が旅行鞄を持って『では私も参ります』