あらすじ
独立したインテリアコーディネーター・綾瀬玲は、仕事も私生活も自分らしく自由に生きていた。そんな玲のもとに、かつて海外へ渡っていた幼馴染・京谷涼香が戻ってくる。小学生の頃から玲を知る涼香は、再会した瞬間から、かつて胸の奥にしまい込んだ想いを再び意識し始める。今度こそ、玲を誰にも渡したくない――そう思いながらも、素直になれず、昔と変わらない「幼馴染」という距離に甘んじていた。
一方、ある夜の偶然の出会いをきっかけに、玲という存在に心を奪われた鳴海冴子。恋愛とは無縁だったはずの彼女は、仕事中でさえ玲のことが頭から離れず、自分でも理解できない感情に戸惑っていた。やがて玲の仕事に関わる機会を得た冴子は、持ち前の行動力と立場を使いながら、少しずつ玲との距離を縮めていく。
そんな中、玲のそばに昔から当たり前のように存在する涼香の姿を知った冴子は、初めて「誰かを取られたくない」という感情を抱く。涼香もまた、玲に近づく冴子をただの仕事相手とは思えず、二人の間に静かな火花が散り始める。
しかし当の玲は、二人から向けられる特別な感情に気づかない。「昔から涼香は面倒見がいいし、冴子さんは仕事熱心な人」と、二人の好意をそれぞれ別の形に解釈してしまうのだ。
幼馴染として玲を守り続けてきた涼香と、初めて誰かを求めることを知った冴子。価値観も生き方も正反対の二人が、玲をめぐって互いを意識し始める。
そして玲自身もまた、二人との関わりの中で、これまで知らなかった感情を少しずつ知っていくことになる――。