あらすじ

「後宮を回すしか能のない女だ。竜の後宮でも回していろ」 十二年連れ添った夫――ロスヴァルト国王はそう言って、若い側妃を王妃に上げた。わたしは離縁され、その年の〈人質〉として竜の国へ送られた。 竜の後宮には、大陸三十の国から差し出された姫君がいた。泣いている子。百年前の礼法で固まっている子。竜が怖くて部屋から出ない子。竜王陛下は、一度もここに来たことがないという。 なるほど。回す人がいなかったのね。 「はい、全員並んで! 姫君は背筋、侍女は声、竜は尻尾をしまう!」 星読みの姫には竜の夜の航路を。造船の国の姫には竜が曳く船を。竜の言葉が少し分かる最年少の姫には、竜舎の通訳を。 姫が一人笑うたび、その国の使者が一人、竜の国の門を叩く。そのたびに、元夫の同盟国が一つずつ減っていく。 「なぜ北の国の使者が、竜の国へ回った」 「後宮を回しておりますので」 そして百年、後宮に来なかった竜王陛下が、ある朝、人の姿で門の前に立っていた。 「……私にも、回し方を教えてくれ」

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小説を読もう2026/09/25
  • 現在の作品「後宮を回すしか能のない女だ」と竜の後宮へ送られた元王妃ですが、人質の姫君三十人を、一人ずつお国の宝にしております ~気づけば元夫の同盟国が、ひとつ残らずこちらの味方です~