あらすじ
十年前、相馬陽は幼馴染の朝倉琴葉と、ひとつの約束を交わした。
「かえってきたら……『けっこん』……してくれますか?」
幼い琴葉を笑顔にするため、陽はその約束を受け入れた。
――そして十年後。
イギリスから日本へ帰国した陽を待っていたのは、綺麗に掃除された我が家だった。
玄関にはウェルカムボード。
『おかえりなさい、陽くん。準備は整っています』
……準備?
嫌な予感を覚えながら振り返る。
そこには、十年前と変わらない笑顔で立つ幼馴染――琴葉がいた。
「遅いですよ、陽くん……ずっと、待っていたのに」
どうやら子供の頃の約束を、琴葉は十年間ずっと本気にしていたらしい。
料理も、掃除も、家事も。
陽が帰ってくる日のために、ずっと練習していたらしい。
さらには外堀を埋め、学校のことまで準備済み。
「これからは、もう我慢しなくていいんですよね?」
こうして始まった、幼馴染との同居生活。
重くて、一途で、ときどき怖い。
それでも一緒にいると、なぜか心が安らいでいく。
十年間離れていた二人が、もう一度同じ時間を過ごしながら、少しずつ距離を縮めていく。