あらすじ

「準備は出来ているか」 そう聞かれて、私は「はい」と答えた。 ――何ひとつ、出来てなどいなかったのに。 魔素を操る術者を育てる、山の国フェルゼン。 戦況が傾き、まだ未熟な教え子たちが、次々と前線へ送り出されていく。 名誉のために。 国を守る、誉れのために。 ――それを教えた教官は、送り出した子の顔を、一つも覚えていない。 戦場に、栄誉などなかった。 あるのは、血と泥と、魔素に灼かれて死にゆく若者たち。 それを踏み越えて、剣が斬り合う。 これは、幻の名誉に送られ、忘れられていく者たちの物語。 月の照らす夜、魔物が群れて人を襲う、その世界の片隅で。

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小説を読もう2026/09/25
  • 現在の作品幻のなかで 〜名誉を教えた男は、送り出した教え子の顔を一つも覚えていない〜