あらすじ

飛行補助という魔法によって、戦闘機は翼とエンジンだけでは不可能な急旋回や上昇を行う。 けれど、私が飛んだあとの空では、飛行補助だけが働かなくなる。敵機がそこへ入れば、機体はただの飛行機に戻る。 最初にそれを見つけたとき、私は撃たなかった。戻るか見ていた。 翌日、その死んだ空を飛行補助なしで抜けていく機体が現れる。尾翼だけが白い、一機。 私は敵の進路を読んで、必要な空を先に殺すようになる。それでも、あの飛び方をもっと見たかった。撃てる二秒を使ってまで。 その二秒のあと、編隊から一機が消えた。 敵も学ぶ。避ける。十秒待つ。別の道を選ぶ。白い尾翼もまた、私が何を見るかを読んでくる。 そのあいだにも、前線は少しずつ東へ動いていく。やがて、その一機が守る飛行場が見え始める。

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カクヨム
カクヨム2026/09/25
  • 現在の作品私が飛んだ空を、敵は飛べない