あらすじ

この国には、《分岐鏡》と呼ばれるものがある。 人生で一度だけ。 自分が選ばなかった未来の、一場面を見ることができる鏡。 十八歳のリディア・フェルナーは、父の療養をきっかけに、憧れていた王立図書院への道を諦め、故郷へ帰ることを決める。 けれど、本当にそれでいいのだろうか。 迷った末、リディアは生涯に一度しか使えない《分岐鏡》を覗く。 そこに映っていたのは―― 王立図書院の制服を着て、幸せそうに笑う未来の自分だった。 帰れば、家族のそばにいられる。 残れば、ずっと夢見ていた仕事ができる。 どちらも欲しい。 どちらを選んでも、何かを失う。 「正しい方を選びたい」 「後悔しない選択をしたい」 そう願えば願うほど、リディアは何も選べなくなっていく。 けれどやがて彼女は気づく。 選ばなかった未来を惜しむことと、 選んだ未来を大切にすることは、矛盾しない。 これは、正解を知ってからでなければ進めなかった少女が、未来が見えなくても、自分で選び、選び直していけるようになるまでの物語。

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小説を読もう2026/09/25
  • 現在の作品選ばなかった未来ばかりが美しく見える