あらすじ
人類未踏のダンジョン最下層。
そこでカフェの店長をしているのは、SSランクのボス魔獣――灰銀の大狼グレイ。
巨大な前足で豆を挽き、コーヒーを淹れる彼の本音は、なぜか配信画面に字幕で流れる。
──『グレイ:……冷めるぞ』
大手ギルドから「戦闘火力がない」と追放されたテイマー・深山灯。
職も居場所も失った直後、深層で崩落事故に巻き込まれた灯は、瀕死のまま人類未踏の最下層へ落ちてしまう。
そんな彼を拾ったのは、黄金色の小さな魔獣コハク。
そして、その先で待っていたのが最下層の主――SSランクの大狼グレイだった。
食われる。
そう覚悟した灯だったが、ユニークスキル【万獣統括】が読み取ったグレイの感情には、なぜか敵意がない。
彼が興味を示していたのは、最下層に自生する不思議なコーヒーの実だった。
灯がその豆で一杯のコーヒーを淹れると――。
──『グレイ:良い』
しかもグレイは巨大な前足でミルを回し、自分までコーヒーを淹れ始めた。
やがて灯は、魔石を使った中継器を自作して最下層から配信を開始する。
すると【万獣統括】が読み取る魔獣たちの感情まで、短い字幕となって画面に流れ始めた。
──『グレイ:できた』
──『コハク:ほめて』
SSランクのボス狼が真顔でラテアートを作り、もふもふ魔獣たちの本音が字幕で流れる。
そんな前代未聞の配信に視聴者は急増。
小さな最下層カフェは、やがて探索者協会まで動かす「安全な居場所」へと変わっていく。
傷ついた探索者も。
行き場を失った魔獣も。
そして、かつて灯を「無能」と切り捨てた人間さえも。
戦わない。罵らない。
それでも、捨てられた男が見つけた居場所は、少しずつ世界を変えていく。
追放テイマーと不器用な魔獣たちが贈る、
もふもふ×カフェ×ダンジョン配信の、癒やしと逆転の物語。
※旧アカウント削除による再掲です。