あらすじ

陳汪瑶には、少し現実離れした趣味がある――まだまだ拙い日本語で、日本のライトノベルを書くことだ。 物語なら、時間をかけて書けばいい。 けれど、何度読み返してもどこかおかしい日本語は、辞書を引くだけではどうにもならない。 中国・天津。日本・東京。 海を隔てて、彼は一人の日本人の少女と知り合った。 日本語の間違いを、容赦なく指摘してくる少女――雨宮七海。 七海は中国語を練習したい。 陳汪瑶は、もう少しましな日本語を書けるようになりたい。 そうして、二人の言語交換が始まった。 最初は、敬語や助数詞、発音の話をしていただけだった。 なぜ「随便」は、いつも本当に「どっちでもいい」わけではないのか。 なぜ、あんなに初歩的な単語なのに、何度も同じところで読み間違えるのか。 そして――勉強のためだったはずなのに、どうして通話は少しずつ長くなっていくのか。 気づけば二人は、言葉とは関係のないことまで知るようになっていた。 何時に起きるのか。何が好きなのか。 機嫌が悪いとき、メッセージがどう変わるのか。 普段なら、何時ごろ連絡が来るのか。 そして、来るはずの時間を過ぎても、なかなか来ない日はどんな日なのか。 天津と東京は、ずっと遠い。 それなのに、二人の距離は少しずつ縮まっていった。 ただ――それだけで、本当にその人のことを知ったと言えるのだろうか。

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小説を読もう2026/09/25
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