あらすじ
桜井晴人(さくらい・はると)は、異世界での第二の人生はラノベみたいなものだと思っていた。
――それは大間違いだった。
日本で命を落とした晴人が目を覚ましたのは、あらゆる生き物が〝モコ〟と呼ばれる不思議な精霊である世界。
闇でできた小さな存在に生まれ変わった彼には、人間の体も、説明書も、この世界の常識すらない。
残ったのは、自分の頭と、なんでもゲームやファンタジーに例えてしまうクセだけ。
冒険者ギルドに入り、熟練の旅人や伝説の炎の獣と出会ううちに、晴人は少しずつ、ダンジョンと魔法、ギルド、そして古の謎に満ちた世界へと巻き込まれていく。
だが、知れば知るほど、この世界の奇妙さは深まっていく。
〈フェリクスの残響〉と呼ばれる八つの遺物。
どんな願いも叶えるという賢者の石を収めた、謎の小箱。
そして、ありえないはずの遺産で今なお王国を変え続ける、伝説の英雄。
晴人の望みは、ただひとつ。穏やかに暮らして、幸せになること。
けれどこの世界では、それこそが何よりも難しい願いなのかもしれない。