あらすじ

八ヶ月ぶりに、婚約者の部屋へ行った。契約者は俺で、家賃も俺の口座から落ちる。入籍は来月、式は秋。 手で洗うほうの籠を頼まれた。二つ目の内側で、指先が引っかかる。白っぽい染みが乾いていた。 その夜、駅の裏のネットカフェで見守りアプリを開いた。二年前、彼女に頼まれて俺が取り付けたカメラだ。管理者は俺のままで、録画は90日ぶん残っていた。 手帳に書けたのは三行だけ。子どもがいる。産んだのは誰か。来月からその子を育てるのは俺だと、二人の中ではもう決まっている。 有休三日のあいだに、結納は100万から200万になった。家の頭金も、兄の車と借金も、まとめて俺が出す前提で話が進む。 俺は全部うなずいた。怒鳴りもしないし、手も上げない。うなずきながら、その数字がどこから出てきたのかを、一行ずつ書き留めている。 全7話。小説家になろうにも掲載しています。 ※本作はフィクションです。登場する違法行為・反社会的行為を推奨、助長するものではありません。

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カクヨム
カクヨム2026/09/25
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