あらすじ
目を覚ました千堂灯里は、見知らぬ地下施設のベッドに縛りつけられていた。
同じ部屋にいるのは、灯里を含めた八人の男女。全員が、自分の名前以外の記憶を失っている。
壁のモニターに赤い文字が浮かんだ。
> **午前零時までに、八人のうち一人を外へ出せ。**
直後、扉の向こうから怪物が現れる。
それは顔のない人型の怪物だった。四本の腕で床を這い、家族や仲間の声を使って、逃げる人間を誘い出す。捕まった者は殺されない。声と記憶を奪われ、怪物の一部として、次の犠牲者を呼ぶ存在へ変えられる。
灯里たちは、食料も地図もない地下施設を逃げ回る。
閉ざされた通路。戻ってくる死者の声。昨日まで仲間だったはずの誰か。そして、灯里だけを殺そうとしない怪物。
やがて彼らは、この場所が単なる監禁施設ではなく、十年前の大事故を封じるための場所だと知る。
なぜ八人は、ここに集められたのか。
なぜ灯里は、怪物の声に聞き覚えがあるのか。
そして、地下から脱出した先に待っているものは、本当に自由なのか。
これは、閉じ込められた八人が怪物から逃げ、失われた記憶と脱出の理由を探す物語。
地下を出れば、終わるはずだった。
しかし、外の街には誰もいない。
夜になると、住民たちが戻ってくる。
彼らは人間の姿をしている。顔もある。言葉も話す。けれど毎朝、灯里たちの記憶を一つずつ奪っていく。
脱出は自由ではなかった。
それは、次の檻へ移されることだった。