あらすじ
世界にダンジョンが現れてから半世紀。
十八歳になる年の一月、人々は《能力授与式》によって一つのスキルを授かる。
幼い頃に両親を亡くした高校三年生・朝倉蓮は、自分を引き取り、実の子のように育ててくれた叔母夫婦に恩返しするため、将来は冒険者として稼ぐことを決めていた。
ただし、高校卒業後すぐに冒険者になるつもりはない。
大学でダンジョン攻略、戦闘技術、魔物学、素材学などを学び、危険を減らしながら高収入を狙える《エリート冒険者》になる。
それが蓮の目標だった。
そんな彼が能力授与式で手に入れたのは、過去に一度も確認されていない固有スキル――《天輪》。
銀黒色のチャクラムを召喚し、精神力によって自在に遠隔操作する武器型スキル。
《天輪》は普通のスキルより遥かに成長が遅い。
その代わり、スキルレベルが一つ上がるだけで、召喚数、操作距離、飛行性能などが大幅に強化される特殊な能力だった。
そして蓮は気づいてしまう。
遠距離から複数の天輪を同時に操るこのスキルは――ダンジョン攻略に異常なほど向いている。
魔物を次々と倒し、同世代を遥かに上回る速度でレベルアップ。
大学入試では最高難易度の仮想ダンジョンをソロ攻略し、全国主席として大学へ進学する。
しかし、それはまだ始まりに過ぎない。
大学で出会う仲間たち。
講義や実戦訓練。
放課後のダンジョン攻略。
初めて手にする高額報酬。
成長する《天輪》と、新たに解放されていく能力。
「いつか、叔母さんたちには働かなくてもいい生活をしてほしい」
大学生として学びながら、冒険者としてダンジョンへ潜る。
これは一枚の《天輪》から始まった少年が、家族への恩返しを胸に、エリート冒険者の頂点を目指して成長していく物語。