あらすじ

高梨紬、三十歳。 紅茶専門店で七年間働き、いつか自分の店を持ちたいと思いながらも、失敗するのが怖くて一歩を踏み出せずにいた。 そんな紬が突然迷い込んだのは、魔法が生活の一部になっている異世界。 ところが紬には、魔力がまったくなかった。 仕事探しにも苦労する中、市場で見つけたのは、紅茶によく似た香りを持つ「ラティア葉」。 この世界では料理や薬草に使われているその葉を、紬は一杯の紅茶にする。 やがて日本では叶えられなかった夢を、異世界で叶えることを決めた紬。 小さな紅茶店を開いたものの、三日経っても客はゼロ。 そんな店に初めてやって来たのは、一人の騎士だった。 「……苦いですね」 初めての客からの感想は、まさかの一言。 けれど彼は紅茶を最後まで飲み干し、帰り際に振り返った。 「明日も、開いていますか?」 魔法は使えない。 特別な力もない。 それでも私には、紅茶がある。 魔力ゼロの店主と、紅茶を知らない異世界の人々。 一杯の紅茶から始まる、小さなお店の物語。

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小説を読もう2026/09/25
  • 現在の作品魔法は使えませんが、紅茶なら淹れられます