あらすじ
15歳で女に見切りをつけ、16歳で現実世界にも見切りをつけた。
そうして、俺は人生を大好きなRPGゲームに捧げることに決めた。
Sillaaaris。
何年もの間、俺はトッププレイヤーの一人として名を馳せてきた。その地位こそ、俺の人生で得た最大の誇りだった。
別に、それを哀れむ必要はない。
Sillaaarisは、稼働から約30年になるゲームだ。同ジャンルで最も有名な作品と言えば、俺の実績が同情される筋合いのものじゃないと分かるだろう。
だろ?
とにかく、魔王だ。あのクソ女をひたすら殺そうとし続けた結果、俺はクランを失った。誰もいない、見捨てられた状態で(ゲームに関してはさび付いたサラリーマンが一人いるだけで)、俺はボロボロだった。
そんな時、思いもよらない知らせが届いた。
俺たちは全員、ゲームの中に閉じ込められていた。魔王――エルフのイラリスを倒すまで、外には出られない。
それより先に誰かが死ぬか、ゲームを離脱すれば。
死ぬ……
……
なんて運がいいんだろうな、俺は。
俺を殺せるプレイヤーなんて、片手で数えられるほどしかいない。おまけに、あのクソ女を殺すことは、もう何年も前から俺の目標だった。
今、あいつを倒せば、みんなが俺を英雄と讃えるだろう。
おっと、そこまで大げさに言うことでもないか。
今でさえ、ゲームの中でプレイヤーの命を救えば、まるで異世界転生モノの主人公みたいに讃えられる。
これはこれで、悪くない。