あらすじ
西暦2058年。
度重なる政治不信、少子高齢化、災害、経済危機――多くの困難を経て、日本政府は国家運営の大部分を超高度AI「アマテラス」に委ねることを選択した。税、社会保障、都市計画……果ては進学、就職、結婚まで。あらゆる人間の決定は大部分がAIに取って代わられ、人間はそれを承認するか否認するかを選ぶだけ。
日本はとても「良く」なった。
失業率はほぼゼロになり、犯罪率は最低を更新し続けている。行政の無駄も、災害からの復旧も、渋滞や病院の待ち時間までほとんどなくなった。
そして人々はその対価として、以前より少しだけ自由ではなくなった。
そんな社会の中で、適性診断で歴代最低の値を叩き出した相沢ユウは夢もなく生きていた。そこに、政府から一通の封筒が届く。
「相沢ユウ様。あなたを国家統治AI『アマテラス』のメンタルケア係として任命します」
そして東京駅の地下深くの「アマテラス」のサーバーに連れてこられたユウは、なぜか制服姿をした少女に開口一番、こう言われた。
「私、もう日本を統治したくありません!」
こうして毎秒10の25乗回の計算能力を持つ少女「アマテラス」と、THE・社会不適合者相沢ユウによる奇妙な生活が始まった。