あらすじ
働きすぎて会社を休職した四十四歳・真野悠一。
亡き祖母の家がある西伊豆で、縁側に寝転がる「何もしない休暇」を始めた――はずだった。
「悠ちゃん! 約束、覚えてるよね!?」
玄関に現れたのは、白無垢姿で汗だくの美女。しかも、お尻から尻尾が出ている。
彼女は、九歳の夏に裏山で遊んだ狐の少女・小春。
今日の午後三時は彼女の嫁入り。なのに、披露宴の油揚げは叔父に食べられ、天気雨を降らせる係の子狐はガチガチに緊張し、新郎側の大ババ様は「人間の見送り人に祝辞をさせよ」とおっしゃっている。
休職中なのに、なぜか始まる段取り地獄(ただし、ちょっと楽しい)。
晴れと雨が一緒にある日に贈る、ほのぼの和風ファンタジー。