あらすじ
目を覚ますと、そこは――誰もいない学校だった。
淡い水色に染まった校舎。
窓の外には、雲ひとつない青空。
廊下には、ありえないはずの小さな雲が浮かんでいる。
そして、校舎の一番奥にある教室。
そこに並ぶ机は、すべてこちらを向いていた。
「……何、ここ?」
困惑する少女の目に飛び込んできたのは、黒板に残された一つの言葉。
『まだ帰らないで』
なぜ自分はここにいるのか。
なぜ時計は、同じ時刻を指したまま動かないのか。
そして、この学校で待っているのは一体誰なのか――。
記憶の奥に隠された十年前の出来事を辿るうち、少女は少しずつ、この世界に隠された真実へと近づいていく。
これは、夢なのか。
それとも――誰かがずっと彼女を待ち続けていた、もう一つの世界なのか。
空色の校舎で始まる、少し不思議で、少し切ない幻想ファンタジー。
最後に彼女を待っている言葉は、
「まだ帰らないで」なのか。
それとも――
「もう、帰っていいよ」なのか。